夏の養生法
ブログ 2016年05月20日
夏になると急激な暑さのために身体がついていかず、ダルさがあったり、風邪をひいてしまったりしやすい時期です。
自律神経のバランスが、うまく調節できずにいる状態ですのでまずは、身体を休める事が大切です。少し早めに寝るよう心がけましょう。
何も考えない時間を作ったり、ノンビリできる居心地のいい場所を見つけるのも楽しいですね。
気持ちも切り替えできるようにする事が重要なのです。鍼灸治療でも同じことが言えますが、自律神経を整えることで
回復力や免疫力を上げていくのです。
夏の冷えのタイプ
「血行不良 」タイプ
冷え・しびれ・頭痛・関節痛・腹痛・生理痛・ストレス過多
☆血液流れが悪くなってしまうと温かな血がスムーズに全身を巡らず冷えの症状をひき起こします。
ストレスや食事の不摂生、睡眠不足などに注意してください!
「 血不足 」タイプ
手足の冷え(特に手足や指先)・顔色が白い・息切れ、疲労
動悸・不眠・月経の量が少なく色が薄い
☆血液は陽気(身体を温める気)と一緒に流れています。
その為、血が十分にないと陽気も全身に行き届かず冷えが起こってしまいます。
「 胃腸虚弱 」タイプ
手足の冷え・全身の疲労感・無力感・食欲不振・お腹の張り、軟便、下痢
☆冷房や冷たい物の摂りすぎ、食事の不摂生で胃腸に負担がかかり働きが低下してしまいます。
「 陽気不足 」タイプ
手足の冷え・腰痛・腰の冷え・むくみ・頻尿
☆陽気には身体を温めて体温を守る働きがありますが、
現代の生活では、過度な冷房、冷たい物の摂りすぎなどで陽気を消耗させてしまうことも…。
夏の冷え対策「あ、い、う、え、お」
①あい— 「愛」 ストレスを解消してこころを温める
②う — 「運動」 適度な運動
③え — 「栄養(食事)」 冷たい物を摂り過ぎない、 食べ物をよく噛む
④お — 「温活」 冷やさない服装、正しい入浴
①愛
身体の冷えがこころの冷えにまで広がることがあります。逆に、ストレスや自律神経の乱れから身体がだんだん冷えていくこともあります。真面目な人や気を遣い過ぎる人は自分の感情を押し込めていることが多く、こころが冷える傾向に。
愛と感謝がこころと身体の冷えを救います。
②運動
日常生活でできる適度な運動をご紹介します。
*外出は、大股早歩き
*電車では座らない
*炊事と掃除はつま先立ちで作業する
*座る時は膝をくっつけて内側に力を入れる
*食事は最低30回噛む
③栄養(食事)
夏は、ビールや夏野菜の美味しい季節ですが、身体を冷やしてしまいます。他にも、牛乳、豆腐、食パン、お菓子など味の薄いもの、小麦粉を多く使用しているもの、白砂糖を多く使用しているものも身体を冷やします。
暖色のもの、寒い季節が旬のもの、地下に伸びるものや地中で育ったものは身体を温める働きがあります。
また、よーく噛むことで代謝が上がるので一口で30回以上は噛むようにしたいですね。
④温活
外は暑いですが、建物や電車の中などエアコンが必要以上に効いていることが多いです。
冷房を避ける羽織やスカーフなどを持って行ってください。
足首も出しているのもよくないので、なるべく靴下は履いてください。
また、腸を冷やさないために腹巻きをするのもおススメですが、夏は汗を掻きやすいため、汗で身体を冷やしてしまう恐れもあります。
細めに拭き取る、汗の吸収性のいい素材を選ぶなどに気を付けてください。
この時季は、暑いのでお風呂に浸かるのも億劫になりシャワーで済ませてしまうことも多くなるかと思います。
最低10分間、38~40℃のお湯にゆっくり浸かることで自律神経を整えます。
まだまだ暑い日が続きますので、
夏の冷え対策「あ、い、う、え、お」を取りいれて、夏バテしない身体作りを目指したいですね。
夏のインフルエンザ
インフルエンザといえば冬に流行するイメージがありますよね。
しかし、インフルエンザウイルスは冬しか存在しないわけではなく夏に狭い範囲で流行することは珍しくないそうです。
インフルエンザは低温や乾燥した気象条件で広がりやすく、くしゃみや咳で人にうつります。
一方、湿度が上がりウイルスが遠くで飛びにくくなる夏はウイルスがついたものをさわるなどし接触感染がおこりやすくなります。
基本的な予防法は手洗いとマスクを着用。
これは夏も冬も変わりません。ただ、冬と比べ意識が薄れます。
夏風邪と思い病院への受診が遅れてしまい知らずのうちに周囲へ感染させてしまっています。
風邪に似た症状が現われたときには早めに病院を受診しましょう。
また、妊娠初期の女性がインフルエンザに感染すると流産のリスクがあがります。
外出時には必ずマスクを着用し、手洗いうがいをこまめに行いましょう。
夏の塩分摂取
日本人の1日の塩分摂取量の目安は18歳以上の男性は1日当たり8.0g未満、18歳以上の女性は1日当たり7.0g未満とされています。
しかしながら現状のデータでは男性で11.0g、女性で9.2gとなっています。
女性で2.2g多いんだなぁ、ちょっと多いくらいかな~と軽く思われている方もいらっしゃると思いますが
なんとWHO(世界保険機構)は5gなので、実は、ほぼ倍の塩分量を取っていることになるんです!!
ちなみに、日本高血圧学会は1日6g未満を目標としています。
食塩がどれくらい入っているかという、食品表記によるナトリウムをみてもわかりづらいかとおもいますが、
ナトリウム量(mg)× 2.54 ÷ 1,000 = 食塩相当量(g)
で食塩相当量を計算できます。
また、塩分相当量1g=ナトリウム量393mg と考えて頂けると宜しいかと思います。
頭の片隅に覚えておいて計算してもらえるといいです。
取り過ぎないように注意をしてもらうのはもちろんですが、取り過ぎてしまった場合はカリウムが多い食材を多く摂るようにしましょう。
カリウムの多い食材はほうれん草、納豆、アボカド、リンゴ、バナナなどですね。
塩分が増えると、身体に水分をため込もうとし浮腫みます。浮腫むことで体が冷え、足がつるなどの妊娠中のマイナートラブルに繋がります。
妊活中も、妊娠中も塩分に気をつけて過ごしてください。
また、夏なので汗をかいてしまう事により塩分が身体から出てしまうことも懸念されますが、やはり取り過ぎにも気をつけなければいけません。
取り過ぎず、足りなさすぎず上手に摂取していきましょう。
夏に効果的なツボ
中脘~胃腸機能回復、食欲不振、消化不良~
*おへそとみぞおち上端を結ぶ中間点にあるツボ
その他にも、ストレス太り、食あたり、吐き気、胃痛、肩こり、頭痛、めまい、むくみに効果があります。
※満腹時の刺激を避けてください!
気海~倦怠感、気力喪失~
*おへその真下から指2本分下にあるツボ
丹田と呼ばれる気があつまる場所にあるツボで気の流れをスムーズにして体も心も元気にします。
その他、低血圧による食欲不振、吐き気、精神不安、焦燥感の緩和に効果があります。
足三里~胃腸機能回復、食欲不振、全身脱力感、不眠、疲労回復~
*親指と中指を開き膝の上縁に直角に当て、膝下の中指の尖端
百病に効くツボと言われ、月経不順、不妊症、足のむくみ、膝痛、足のしびれ、
胃腸の不調(腹痛、便秘、下痢)、歯痛、歯槽膿漏、神経疾患(めまい、頭痛)、肩こりなど全身に効果があります。
じんわりと指で押して、緩めるを3~5回刺激してみたり、冷えも感じるようでしたらお灸もおすすめです。
夏に食べたくなるトマトの効果
トマトにはリコピンによる抗酸化作用がよく知られています。
この「抗酸化作用」は、子宮の老化を抑える働きや男性不妊にも効果的とされています!
「夏野菜は体を冷やす」と避けてしまう方も多いと思いますが、トマトは、過熱をすることで体を冷やす働きは弱まり、
血を増やしたり巡りを良くするといった良い作用が残ります。
血は妊娠だけではなく、毎月の月経や妊娠の維持、出産、授乳にまで影響します。
血が不足することで月経周期の異常が現れ、全身の状態が悪くなります。
トマトの効果は、血の不足の症状以外にも口内炎・口角炎・睡眠のトラブル・心のざわつき感・驚きやすいなどの症状にも効果が期待できます。
夏バテ対策のためにも、夏野菜を積極的に食べるようにしましょう。